会食が多い人ほど健康に? ― ビジネスパーソンの“食べ方リテラシー”を磨く

仕事上の会食や接待が多いと、「太りやすい」「不規則になる」と感じる人も多いでしょう。
しかし、ほんの少しの意識と工夫で、会食を“健康の味方”に変えることができます。
ポイントは、食べ物そのものよりも、“食べ方の戦略” にあります。

1. 会食を「調整の一部」と考える

会食の多い人が陥りがちなのが、「今日は仕方ないから」と割り切ってしまうこと。
大切なのは、その日1回の食事を“全体の流れの中で整える”意識を持つことです。

  • 朝は糖質控えめ+たんぱく質多め(ゆで卵・豆腐・ヨーグルトなど)
  • 昼は腹7分で終える(夜に余裕を残す)
  • 会食翌朝は胃腸をリセットする“白湯+味噌汁+軽い散歩”

この3つを続けるだけで、身体のリズムが乱れにくくなります。

2. “最初の一口”で体の負担が決まる

会食時、最初に何を口にするかで血糖値の上昇カーブが大きく変わります。
最初におすすめなのは、サラダ・魚・豆腐・枝豆などの低GI食材

  • 野菜やたんぱく質 → 血糖上昇を緩やかにする
  • 炭水化物や揚げ物 → 空腹時は吸収が早くなる

つまり、最初の一口を“守る”だけで、太りにくさも疲れにくさも変わるのです。

3. 飲み方にも“順番の工夫”を

お酒を飲む際は、種類や順番で体の負担を大きく変えられます。

  • 最初の一杯は炭酸水や水割りで胃を慣らす
  • ビールを飲む場合は一杯目のみにして、次からは焼酎・ワインなど糖質の少ないものへ
  • お酒1杯ごとに**同量の水を挟む“和らぎ水”**を

この“和らぎ水”の習慣は、肝臓だけでなく翌日の集中力にも影響します。
「楽しく飲んで、翌日も快調」こそ、本当の大人の飲み方。

4. 食べ過ぎを“リセット”する48時間の回復法

「食べすぎた」「飲みすぎた」と感じたとき、無理に断食をする必要はありません。
重要なのは、“次の48時間でどう戻すか” です。

  • 翌朝は固形物を控えて水分を多めに(白湯・味噌汁・スープ)
  • 2日目は野菜中心の食事に戻す(生野菜+豆腐・納豆など)
  • 夜は軽い運動で代謝を刺激(15分のウォーキングで十分)

体は驚くほど柔軟です。
会食が続いても、この48時間リズムを守るだけで体調を取り戻せます。

5. “会食を楽しめる体”をつくる

根本的に大事なのは、食べても崩れない体の土台を日常で作っておくこと。
そのためには、以下の3つが基本です。

  • 筋肉を動かす(階段・スクワット・通勤ウォーク)
  • よく寝る(会食の夜は「寝る前の水1杯」で回復力UP)
  • 腸を整える(発酵食品と食物繊維で代謝バランスを安定)

健康とは、制限ではなく“回復力”。
会食が多くても、整える力を持つ人は崩れません。

まとめ:会食も仕事のうち、そして健康のうち

仕事での会食は、人間関係の栄養でもあります。
食事を避けるのではなく、どう楽しみながら体を守るか
その視点を持てる人こそ、真にバランスの取れたビジネスパーソンです。

「食べ方をデザインする」=健康の自己マネジメント。
今日の一皿が、あなたの未来のコンディションを作ります。

参考文献

  • Ludwig DS et al. (2018). The carbohydrate-insulin model of obesity: Beyond “calories in, calories out”. JAMA Internal Medicine.
  • Japan Society for Bioscience (2021). Effects of meal timing and macronutrients on glucose metabolism.
  • 日本栄養士会 (2023). ビジネスパーソンのための外食・会食マネジメント指針.

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