夜眠れなかった日の昼寝はアリ? ― 睡眠科学が教える“正しいリカバリー”

夜にあまり眠れなかった日は、集中力が落ちたり、体が重く感じたりします。
では、その日の昼寝で睡眠不足を取り戻すことはできるのでしょうか?
睡眠科学の研究をもとに「昼寝でどこまでリカバリーできるのか」を整理します。

昼寝は“睡眠不足の応急処置”としては有効

結論から言うと、昼寝は 部分的な回復 に効果があります。
特に、次のような力を取り戻すのに役立ちます。

  • 集中力
  • 注意力
  • 感情の安定
  • 判断力

睡眠不足の日に昼寝を取り入れると、午後以降のパフォーマンスは明確に改善します。

昼寝で「完全に」取り戻すことはできない

ただし、昼寝はあくまで 一時的な補助 にすぎません。
次のような部分は、夜のしっかりした睡眠でしか回復できません。

  • 体の深い回復
  • 老廃物の除去
  • ホルモンバランスの調整
  • 肌や免疫のメンテナンス

昼寝は“応急処置”、夜の睡眠が“本番”という関係です。

正しい昼寝の長さは“20分以内”

睡眠科学では 15〜20分 の昼寝が最適とされています。
理由は以下の通りです。

  • 深い睡眠に入る前に起きる → だるさが出にくい
  • 夜の睡眠に悪影響がない
  • 集中力の回復に最も効率的

これを超えると、起きた後に重さが残る可能性が高まります。

昼寝するなら“昼食後〜15時まで”

時間帯も重要です。

  • 一番自然な眠気が出る
  • 夜の睡眠とのバッティングが少ない

特に 15時以降の昼寝は、夜の寝つき悪化につながる ため避けたいところです。

夜眠れなかった日にありがちなNG行動

次の行動は“回復どころか逆効果”になります。

長く昼寝をする

60分以上寝ると、夜の睡眠リズムが崩れてしまいます。

カフェインを摂りすぎる

眠気覚ましに使いたくなりますが、摂りすぎると寝つきが悪化します。

帰宅後に夕方の仮眠をする

夜の睡眠の質がさらに落ちる原因に。

“夜眠れなかった日”の正しい1日の過ごし方

科学的におすすめされるのは次の順番です。

朝はいつもの時間に起きる

寝不足でも寝坊はしないほうが良いです。体内時計がズレます。

朝の光を浴びる

体内時計を“リセット”して眠気を軽減します。

午前は軽い運動をする

散歩や階段の上り下りで眠気を飛ばす効果があります。

昼に20分以内の昼寝

ここで一度リセットし、午後を乗り切る。

就寝前のスマホを控える

睡眠不足の翌日は脳がブルーライトに弱く、余計に眠れなくなります。

昼寝ができない場合でも“脳の休息”は取れる

実は、眠れなくても「目を閉じるだけ」でも脳は休まります。

  • 3〜5分目を閉じる
  • ゆっくり深呼吸する
  • デスクで静かに座る

これだけでも前頭前野(集中・判断の領域)の負担が軽くなることが確認されています。

まとめ ― 昼寝は“部分的な回復”としては最強

  • 昼寝は睡眠不足の日に非常に有効
  • ただし完全回復はできない
  • 昼寝は20分以内
  • 昼食後〜15時の間に行う
  • 夜はいつも通りの時間に眠るのが最優先

昼寝を“応急処置”として使いながら、
その日の夜にしっかり眠ることで、体は自然と回復に向かいます。

参考文献

Sleep Research Society (2020)
Journal of Sleep Research (2019)
Sleep Medicine Reviews (2018)
BMJ Heart (2019)
Neurobiology of Sleep and Circadian Rhythms (2022)

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